既刊





2017年   7月 26日刊行

「孟徳と本初 三國志官渡決戦録」 講談社

「友よ、お前は強い。だが、俺はどうしても勝たねばならぬのだ」

帝を擁する奸雄・曹操と名門袁家の王者・袁紹。中原の覇者となり天下を望むには、かつての友が最大の障壁となった。

一個の人・曹操の苦悩と、最大の危機。英雄たちが荒ぶり謀る、三國志前半の大決戦「官渡の戦い」を描く。



2017年   4月 27日刊行

「海道の修羅」 KADOKAWA

我は人を捨てた。この瞬間から。

室町幕府の名門・今川家は、乱世の波に呑まれて勢力を失い、北条・武田の争いの渦中にあった。今川氏親の五男・栴岳承芳(義元)は、北条家に侵食されつつ ある駿河の惨状に衝撃を隠せなかった。

北条の手駒となって果てるのか――否。駿河を救うため、承芳は兄たちと母に非情の決断を下す。




2016年 12月  5日刊行

「裏関ヶ原」 講 談社

あの日、それぞれの「関ヶ原」があった。

黒田如水、佐竹義宣、細川幽斎、真田昌幸、最上義光、織田秀信

東軍と西軍、徳川と豊臣などではない。ただ己の意地と志、そして野心のために―。
全国で戦った武将たちの関ヶ原を描いた短編集。





2016年 10月 20日刊行

「賤ヶ岳の鬼」 中央公論新社

 その武勇から「鬼玄蕃」と怖れられた男、佐久間 盛政
 敬愛する叔父・勝家と共に、主君・織田信長の天下布武に献身する日々を一変させたのは、北陸進攻中に起こった本能寺の変であった。
 信長の死後、混乱する織田家中のなかで、一人掌を返したように天下取りに邁進する秀吉。なりふり構わぬ怒涛の攻勢の前に、ついに鬼と呼ばれた男が牙を剥 いた。





2016年  7月 20日刊行

「治部の礎」 講談社

 大義、嫉妬、敵愾心。押しつぶされそうな時もある。この三成は、屈さない。

 何のために闘い続けた。豊臣家への「義」か、はたまた自らの「野心」か。
 覇王信長の死後、天下人を目指す秀吉のもと、綺羅星の如く登場し活躍する武将たちを差し置いて、最も栄達した男、石田三成。彼の「眼」は「近代」を見据 えていた――。




2015年 12月 25日刊行

「悪名残すとも」 KADOKAWA

 我こそ、進んで悪名を頂戴せん。

 織田信長の登場以前、乱世の主役であった西国の雄・大内家。家臣第一席の陶隆房は主家を守り立てるべく奮闘するが、当主・大内義隆の諦念と放蕩によって 次第に斜陽を迎えてゆく。
 このままでは大内が滅びる。
 その時が迫っていることを悟った隆房は、大内家を保つために下克上を成し遂げるが――。



2015年 12月 9日刊行

「関羽を斬った男」 講談社

 「天竺の甘露」 では、憎しみが情愛へと鮮やかに変わってゆく様を。
 「瘤と仙人」 では、死の恐怖に苛まれた心を。
 「人恋ふる夜魔」 では、人の心が崩壊してゆく恐怖を……
 正史三国志、三国志演義、その他後代の逸話集からも物語を拾い、人の心の動きを中心に据えた短編集。文芸誌 「小説現代」 などの掲載分に加え、書き下ろしを二編追加



2015年 5月19日刊行

化け札」 講談社

 
外 道、大いに結構。俺は、天下を動かす札になる!

 武田家滅 亡時、真田家は周囲に攻め込まれたら一瞬で消し飛ぶ運命であった。昌幸は、主家武田を見限り、北条に降ると見せかけて、織田信長につく。信長が横死する 、旧領回復を画策し、弟を人質に上杉景勝に従属するが、わずかひと月で北条に鞍替えする――。騙して、化けて、また騙す。戦乱を変幻自在に立ち回り、世を 化かす昌幸の前に立ちはだ かるのは、名将徳川家康と大軍勢、あまりにも巨大な敵に、どう立ち向かうのか。

「やはり、この片田舎は天下に通じている!」



2015年 4月23日刊行

2016年 第四回・ 野村胡堂文学賞 受賞作

「闘鬼 斎藤一」 NHK出版

 
日本の行 く末を求めて誰もが奔走し、高らかに思想を唱え激動の時 代、幕末。己が肉体 と刀で世に挑み、死の淵に命を置いて生の 喜びを得る男があった。
 国のありようを決める手段が
戦争―銃砲と 頭数にものを言わせる「争い」に変わりゆく中、「闘い」に生涯を賭けた 男はなお時代の波にぶつかって行く。

「闘って いなけりゃ、俺じゃねえだろ」

 闘中に生あり、生中に闘あり。




2014年 9月19日刊行

「天下、なんぼや。」   幻冬舎

 武士にはできぬが、商人ならできることがある。
 江戸時代を代表する「鴻池財閥」を築いた“脱武士"商人・鴻池新六の血沸き肉躍る一代記。

 摂 津国伊丹で酒蔵を営む鴻池新六は、ひょんなことから濁りのない酒「清酒」を発明する。評判を呼ぶ新六の前に現れた謎の男・半一。彼は新六が「ある名将」の 忘れ形見であることを知っていた。半一を遣わした“大御所"徳川家康の思惑とは。さらに新六は、茶屋四郎次郎、淀屋善右衛門ら大物商人と出会い、海運業、 大名貸へと乗り出していくが――。
 商人が見せる「もうひとつの戦国」、そして泰平への転換期を描いた歴史小説。



2014年 6月25日刊行

「誉れの赤」    講談社

 「赤備えは戦場の華なり。人に先んじて敵に当たり、比類なき手柄を上げ、そして……無事に生きて帰る者なり」

 戦国最強の部隊――赤備え。朱に染めた具足の一団が戦場に現れただけで、敵兵は畏れ、逃げ惑い、敗れていった。武田信玄配下の「天下取りの部隊」こと山 縣赤備えに加わった甲斐の地侍・成島勘五郎と幼なじみの農民・飯沼藤太は、武田家が長篠の戦いで敗れた後、主家を徳川に変え、〈赤鬼〉井伊直政のもとで天 下取りを目指す。
 鉄砲の出現によって戦国が終わる時、一人の下級武士に何ができるのか。〈赤〉の遺伝子を受け継いだ最後の武士の生き様を描いた長編小説。

★ 第36回 吉川英治文学新人賞候補 / 第4回 歴史時代作家クラブ賞・作品賞候補



2013年12月17日刊行

「義経いづこにありや」   講談社

 賭けるのは己が命。報酬は、天下!

 義経をもって天下を制す――。
 幼き頃から「物の怪」と蔑まれ、人の心を持たずに育った鬼若。野心と利害にまみれた末に求めたものは、「源氏の血」を掲げての天下取りであった。武蔵坊 弁慶の名を得た男は、源氏の御曹司・義経を御旗とし、一気に世に躍り出る。だが、それは偽りの旗であった。
 敵は平家、そして頼朝。世を混沌に陥れる怪物相手に、悪党「義経組」が乾坤一擲の大博打を打つ!




2013年 8月29日刊行

「義仲これにあり」   講談社

 平家を討ち破りし朝日とならん! この男、英雄か、奸雄か、悪党か――。

 平家討伐の先兵となるも、京洛で狼藉を働き、都を追われた悪逆の徒、木曾冠者・源義仲。勝者の歴史に刻まれた彼の姿は、はたして正しいものなのか?
 父 を身内に殺され、孤独の身で遠き木曾に追いやられた不肖の”源氏の子”。己の血に抗い、立ち向かい、新しい国のありようを求めて戦い抜く男は、やがて天下 に手をかける。
 人の幸せとは何か? 義仲が胸に抱きつづけたテーマを軸に綴る新・源平物語。



2012年10月 25日刊行

「時限の幻」   幻冬舎

 時は戦国末期。定まりかけた天下を覆すため、「奥羽の独眼竜」伊達政宗は「俺が時を戻す」と壮語する。その野心成 就には、会津攻略が必須であった。
 一方、会津の蘆名家臣筆頭、「会津の執権」金上盛備(かながみ・もりはる)は、英主・蘆名盛氏を失って死に体となった主家を立て直すため、「蘆名の時を 止める」べく奔走する。

★ 第19回 中山義秀文学賞候補

 

2012 年 3月 19日 刊行(単行本)
2013 年11月 19日 刊行(文庫)

「戯史三國志 我が土は何を育む」   講談社

 『戯史三國志』シリーズ第三弾、完結編。
 どう転んでも滅ぶしかない蜀漢帝国の命運を託された一方の老将軍・廖化は、戦って滅亡するよりも潔く国を畳むべし、と唱える。
 彼が生涯を通じて得たものは、何であったのか……。



2011 年 9月 7日 刊行(単行本)
2013 年 9月 13日 刊行(文庫)

「戯史三國志 我が槍は覇道の翼」   講談社

 ご好評いただいた「我が糸は誰を操る」に続く、戯史三國志シリーズ第二弾。
 謀略戦が中心だった前作からタッチを替え、暑苦しいほど熱い男たちの活劇と人間ドラマを
中心に展開。
 主人公・程普と友・黄蓋、二人の中年男の熱い友情は必見。

★ 第33回 吉川英治文学新人賞候補



2011 年 5月 11日 刊行(単行本)
2013 年 7月 12日 刊行(文庫)

「戯史三國志 我が糸は誰を操る」   講談社

 2010年6月、講談社・小説現代主宰の「第五回・小説現代長編新人賞」にて奨励賞を
いただいた応募原稿に大幅な加筆・修正を加えたものです。
 奨励賞作品を基に生まれ変わったデビュー作、ここを基点とするシリーズ化に当たり
『戯史三國志のシリーズタイトルを加え、刊行。


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